予防接種
予防接種

人体には感染症から身を守るために、免疫という防御システムがあります。ワクチンはそれに寄与し、天然痘に対して作られたことに端を発して人類の感染症の克服に貢献してきました。2026年現在、症状が激しくて大きな負担をかけたり、重度の後遺症が残ったりする感染症から赤ちゃんを守るための有効な手段として、各種ワクチン接種がすすめられています。
初回(2か月児)、1歳頃のワクチンの際には本数の多さに驚かれるかもしれませんが、複数のワクチンを同じ日に接種する「同時接種」は安全性が確認されており、推奨されています。
ワクチンの接種方法には、注射による接種(皮下注射・筋肉注射)、口から飲む経口接種、スタンプ方式(管針法)といわれる経皮接種があります。ワクチンの種類によって接種方法が決まっています。飲むタイプの経口接種はロタウイルスワクチンのみで、上腕にスタンプを押しつけて接種する経皮接種もBCGのみで実施されています。
日本での注射による予防接種は、従来は皮下接種による接種が一般的でした。2020年代のCOVID-19(SARS-CoV2:新型コロナウイルスによる感染症)から筋肉注射によるワクチン接種が徐々に浸透してきました。ワクチンによっては筋肉注射しかできないものも多々あります。しかし近年、皮下注射と筋肉注射のどちらの方法でも接種できるものも開発されました。
予防接種の皮下注射と筋肉注射の大きな違いはそれにともなう副反応の出方の違いです。副反応は全身性のものと局所性のものに分けられます。接種後の倦怠感、発熱などは全身性、接種部位の硬結(しこり)や腫脹、発赤などは局所性に分類されます。筋肉注射の場合は局所性の副反応の出現割合は少ないとされています。筋肉注射は皮下注射よりも深くに行うため、接種時の出血や疼痛が認められる場合はあります。
小児科特有の問題点として筋肉注射の接種部位の選定が重要になります。神経を避けて行われる筋肉注射は接種部位が限られるためです。一般的には大腿(ふともも)と肩に行われることが多いです。2026年現在、5種混合ワクチン、肺炎球菌ワクチンは皮下注射・筋肉注射のどちらも可能であるとされています。どちらの方法でも接種可能ですが、当院では従来の皮下注射で接種することが多いです。新型コロナウイルスワクチン、子宮頸がんワクチン、髄膜炎菌ワクチン、狂犬病ワクチンは筋肉注射のみとなります。
予防接種には市区町村が主体となって実施する「定期接種」と、接種するかどうかを受ける側に委ねられている「任意接種」があります。定期接種は予防接種法に基づいて行われ、対象年齢のうちに受ければ原則公費(一部自己負担が発生する地域もあります)で受けられます。経済的負担の少ないワクチンです。一方、任意接種のワクチンは、健康保険が適用されませんので、接種費用は基本的に自己負担となります(自治体によっては接種費用の助成が受けられるところもありますので、補助内容の詳細についてはお住まいの市区町村などにご確認ください)。
対象となる病気にかかるリスクなどについて一緒に考え、お子さんにとってより適切な予防接種をしていきましょう。
標準的なワクチン接種の開始時期の目安は以下となります。予防接種に関してご不明な点や心配なことがございましたらお気軽にご相談ください。
BCG:結核の予防接種。皮膚症状が強く出る場合があります。接種時に説明いたします。
日本脳炎ワクチン第1期初回(計2回):流行地域では生後6か月から、標準的には3歳頃に接種します。
日本脳炎ワクチン第1期追加(計1回):初回接種したあと1年後に接種します。
麻しん風しん混合ワクチン(MR)2期:年齢ではなく学年で期限があるため、注意してください。
インフルエンザワクチン
おたふくかぜワクチン
3種混合ワクチン(DPT)
ジフテリア、百日咳、破傷風に対する予防接種。小学校入学前の接種が推奨されます。
接種をし忘れてしまった場合でも、スケジュールを組み直して接種できることがあります。予防接種に関してご不明な点や心配なことがございましたらお気軽にご相談ください。また、寮などの集団生活をされる方の髄膜炎菌ワクチン、狂犬病流行地域への渡航前に行う狂犬病ワクチン、医療従事者へのワクチンなどに関しては、完全予約にはなりますが対応できる可能性があるため、ご相談ください。
安心してワクチン接種をするために、接種前に以下の内容をチェックしてみましょう。該当する場合や判断に迷うことがあれば接種前にご相談ください。
感染症を起こしている状態での接種は免疫が付きづらいため、延期をさせていただきます。
予診票については自宅でご記載ください。未記入の場合、別日のご案内になる場合がございます。当院では乳児期の予防接種スケジュールの作成も行っています。接種時期に迷われる場合はご相談ください。
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