熱性けいれん
熱性けいれん

熱性けいれんとは、乳幼児期に発熱とともに全身のけいれんを起こす病気で、「ひきつけ」と呼ばれていました。ほとんどの場合でけいれんは5分以内に自然に止まり、後遺症を残すことはありません。初めての発症は生後6か月から5歳までのお子さんに見られることが多く、日本では7-10%のお子さんが経験するといわれているもので珍しいものではありません。体質に左右されるもので、一度起こしたお子さんの3-4割が再発するとされています。
発熱時にけいれんをしたから必ず熱性けいれんとは限りません。てんかんなどといった別の疾患であっても発熱時にはけいれんが起きやすくなるために、けいれんを繰り返す場合には精査が必要となる場合もあります。
多くの場合は熱が出始めてから24時間以内にけいれんが起こります。全身の体が硬くなり、けいれんします。具体的には、突っ張ってガクガクするように見えます。顔色は悪くなり、けいれん中は意識が無く呼びかけても答えません。2〜3分ほどの経過で自然にけいれんは治まることもあります。けいれんが治まった後は、多くのお子さんがしばらく寝てしまいます。
一般的な熱性けいれんの特徴は以下のとおりです。
これらをすべて満たすものは単純型熱性けいれんと呼ばれます。単純型熱性けいれんが8割程度を占め、残りの2割が複雑型熱性けいれんといわれています。複雑型熱性けいれんの場合には今後も熱性けいれんを繰り返す可能性がやや高いとされています。しかし、熱性けいれん以外にも発熱とけいれんを主要な症状とする病気は数多くあるため注意が必要です。
熱性けいれんは、発熱を誘発因子として発症するけいれんです。熱性けいれんを起こす年齢層のこどもは、ウイルスや細菌などによる感染症に罹患することが多いため、しばしば発熱する機会があります。熱性けいれんの原因は、完全には明らかになっていません。しかし、発熱に関連して脳の働きの制御が取れなくなることにより、けいれんが起こると推定されています。親や兄弟に熱性けいれんの経験があると、熱性けいれんを発症する可能性が高まるといわれており、遺伝的な因子が関与しているとも考えられています。
熱性けいれんを診断するためには、発熱してからけいれんが出現したタイミングや、けいれんの型が重要となります。周産期の情報、成長発達歴、家族歴なども同時にお伺いします。最終的に一般的な熱性けいれんと判断される場合には、必ずしも検査をするとは限りません。熱性けいれん以外の病気が疑われる場合には脳波などを含む特別な検査が必要となる場合もあります。
はじめてこどもが目の前でけいれんしている状況では、落ち着いて対応することは難しいです。まずは以下のように対応してください。
けいれんが持続する場合には、けいれんを止めるための薬剤を使用しないと止まらないこともあるため、以下の場合は救急車を呼んでください。
けいれんを起こしたという通報のお子さんが救急車で病院に運ばれてきた際、元気な泣き声が聞こえると安心したものです。救急車搬送中にけいれんが止まることはよくあるので、けいれんしている場合には救急車を呼ぶことに抵抗を感じる必要はないと思います。けいれんを起こした24時間以内は再度けいれんをしやすいため、けいれん予防の座薬を用いることがあります。けいれんを繰り返す可能性があると診断されたお子さんは、発熱を認めたら予防的に座薬を入れることもあります。全例に予防の座薬は必要ないとされているためにご家族と相談しながら治療方針を決定していきたいと思います。
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